って写真じゃ500rpmですが、実際はもう少し(800rpmくらい)の幅で1〜1.5秒周期でアイドリング回転数が上下していたんですよ。
マニュアル車なんですけど乗れたもんじゃないってお客様から電話で相談があって 吸気系かな?それとも電気系かなと話していたんですが、見せてもらうと明らかに機械的なトラブルではない気がします。
とりあえず診断機をつないでダイアグコードを見てみると、
はぁ、ELDね。ELD、ELDっと。
ELDってなに?ホンダの常識はよその非常識って昔先輩が言ってましたが、ことごとく部品名称なんかがよそと違うんで調べてみると『あー、あれのことか』となることが多いんですが、今回のはちょっと意外で、勉強になりました。
ELD−Electric Load Detector(電力量監視装置かな?)らしいです。
エンジンルームのリレーBOXに入ってるんですけど、どうやらイグニッション電源系の変動を監視していて、負荷が高いと充電量を増やすためのセンサーということで最近では常識の充電制御方式のためのセンサーということですね。
エンジンルーム内のリレーBOXです。
エンジンルームのリレーBOX内、茶色の四角い物体です。
他社ではバッテリーターミナルすぐの場所にプラス側、マイナス側どちらかに取り付けられていることが多いんですが、充電制御車の要になるセンサーです。でも結構昔からついてますよ何かは知らなかったけど。
世の中が充電制御と言い始めるはるか昔から付いてる気がして調べてみると、すくなくとも平成3年ごろのシビックにはすでについていた装置みたいで、電気負荷が少ない時には充電電圧をLoにして、電気負荷が増えると充電電圧をHiにするという2段階制御のようです。
回転数も2000ちょっとと1300くらいのところでキレイに2段階なんで原因はこれっぽいですね。
今のとは少し制御内容が違うかもしれませんが基本的には今の充電制御方式と同じ方向です。こんなに昔から取り入れていたのはすごいと思います。この頃のホンダ車は、明らかに他社より燃費が良かったと思います。軽いからと言われてましたけど、こういう積み重ねも効いてきますよね。
ペットネームはスポーツシビックでしたよね。VTECのSi-RⅡが大人気でした。この頃のホンダ車って今見てもかっこいいですよね。
さて、故障診断はというと、整備書に従って配線図とにらめっこしながら各端子の抵抗値、電圧等測って見ましたがどうもELD単体不良のように思えます。
しかしここで大問題なのですが、なんとこのELDユニット単体の部品設定がないっていうじゃないですか!!
このリレーBOX一体供給(リレーボックスは配線から切り離せない構造)要するにエンジンルームハーネス一体供給で4万円超!!!
はぁ?・・・バカか。ELD自体はネジ止めで外れるのになんでそんな供給体制なんだ?
このあいだ外車は部品が高いって記事書いたばかりなのにホンダはもっと高いことになるじゃないか。
なにかいい方法はないか調べてみますが、選択肢としては中古部品でハーネスごと取り寄せるか?それともほかな車種に単体設定がないかあたってみるか?なんですが、まず中古は元の価格から考えてもそこそこな価格だろうし、この場合ハーネスが商品なのでついてきたELDが壊れていてもまず保証してくれそうにはないです。
で、ほかな車種ですが手近なところで初代オデッセイ後期、N−ONE前期がいましたが、どちらも形状違いでした。
やはり同年代の排気量が近くて設計思想が似てる車のほうが良いんじゃないかと思いオンラインで見られる部品カタログを探していると、なぜかロシア語のサイトに当たりました。
思いっきり怪しいしキリル文字なんかわかるわけないのですがgoogleCrhomeさんが翻訳してくれるのでバリバリ進んでいきます。もちろん権利関係が怪しいので画像は載せられません(^_^)
そこで調べると2005年製のシビックフェリオES1には実車と同じように見えるイラストのELDが単体設定がありました。
さっきのスポーツシビックの2代後、走るイメージを捨てた代ですね。
でもそこはロシアのサイト。この部品番号のまま発注するのは怖すぎるので、部品商の担当者に事情を話して部品番号から逆引きで、採用車種を調べてもらいました。
『モビリオとか、モビリオスパイクが使ってますよ。¥6600。』
おお!同じエンジンの兄弟車と言っても良いクルマに使ってある!
まず間違いないとは思うけど、一応お客様に取り寄せてみてもいい?って聞いて許可を頂いたので取りつけてみますと、バッチリ!治りました!!
距離も走っていらっしゃるので当初話しに出た吸気系の洗浄もということでRECSとスロットルクリーニングもやって、お渡しできました。
その後も快調とのことで、お安く直せて喜んでいただけてよかったです。
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