さて、フロントサスペンションのアップから始まりましたが、今の乗用車はこんなにグリスまみれにはなりません。
アーム端部はゴムのブッシュか無給油のピロボールなので足回りへの給油が必要ないからですが、ミニの足回りはフロントアッパーアームの根本のニードルベアリング、上下アーム外側ジョイント(ハブ上下部)左右合計6ヶ所、リヤのトレーリングアーム根本もニードルベアリングがあり左右で2ヶ所の計8ヶ所にグリスニップルが付いており、定期的にグリスの給油が必要になっています。
昔はこれが当たり前だったので乗用車の法定点検も6ヶ月毎だったし、運転する人も普段からボンネットを開けてチェックするとか、女性でもタイヤ交換ぐらいはできるという方もたくさんいらっしゃったように思います。
さて、今回はオーバーホールなのでバラバラにしてチェックしていきます。
アッパーアームはばらして灯油で洗浄してベアリングとシャフトのチェックをしましたが至って良好でした。
ただし、ラバコン下ボールジョイントの受けが樹脂カップなのですが、片方破れてました。
純正はボールジョイントASSYですがボールは問題なさそうなので社外品の樹脂カップのみ取り寄せました。
このあとロアーアーム&テンションロッドのブッシュも替えましたんでとりあえずリヤに移ります。
リヤのコーンはあまり潰れてないようにも見えますが、かなり硬化しているので交換するようにしてました。
で、とりあえず交換して車を降ろして、車高のチェックをします。
リヤにハイローがないのでリヤの車高に合わせてフロント側を調整してやります。
今は取り付けたばかりなので高めの車高ですが、1〜2年で落ち着いてくると思います。
試乗してみるとゴトゴトしてなくてちゃんと衝撃をいなしてくれてる感触です。
ですが、どうもリヤを引きずってるというか抵抗感があるのでトー(サイドスリップ)の測定をしてみると、フロントはそうでもないですがリヤはイン側へ振り切り(25mm以上!)
今回リヤアライメントが変わる要因って車高が大幅に上がったこと以外にはないのですがこの足回りではトレーリングアーム外側のブラケットにシムをはさんで調整するしか方法がありません。
市販のシムを探してみると安価なものは何枚もセットで¥1000台からありますが注文生産のようですぐには届きそうにないですし、シム厚が1mm〜となっています。そんなにゴツくて良いのかな?と思ったので作りましょう。
調べてみると、どうやらここのボルトは折れがちだそうです。左が1本右が2本です。
抜いて修正してみましたがどうも感触が『ぬくっ』としているので結局オーバーサイズのボルトに替えたら、『カチッ』とした締め心地になりました。こんなところが緩んだら大変ですからね。気になるところはちゃんと修理しておきましょう。
さて、ブラケットで型をとったので板に写していきます。今回は0.5mm厚のステンレスで作ってみます。
ちなみに基準値はインに3〜5mmくらいのはずです。
何枚入れたら良いのかわかりませんがとりあえず左右4枚(厚さ2mm)入れて降ろしてサイドスリップテスターを通してみますと、アウトに1mmくらいのようです。
いいとこらへんですけど、『ミニはショートホイールベースなのに比較的直進性が良いのはリヤにトーインが付いてるから』なんてむかーしむかしの本で読んだ記憶がありますので、やはりトーインにまとめたいと思います。
1枚抜いて3枚(1.5mm厚)にしたところイン4.5〜4.8というところなので今回はこのくらいにしておきましょう。
車高が下がればアウト方向に振れるはずなので、このあとはちょくちょく調整していくことになりますが。
さて、足回りはまとまったので、問題の窓修理に入りたいと思います。
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