いつもご入庫いただいてるTさまのレヴォーグ。
初めてご入庫のときからあの硬っっったいビル脚はポイッ(ノ・ω・)ノされて、HKSハイパーマックスⅣしかもアッパーマウントがラバーのSpecAと車高調としては素晴らしく乗り心地の良い脚になってました。
しかし、あくまでも『車高調としては』であって、コントロール性のために犠牲になっている部分はかなり多いと、以前からいろいろご相談は受けておりました。
他社のもっと乗り心地に振った車高調とか、ノーマル形状とかいろいろ話には上げてみたのですが、やはりもともとの素性は極上のハイパーマックスですから捨てがたいですよね。
そこで、Tさまが探してこられた回答が『オプションのソフトスプリングへの交換』でした。
標準が前後5+2kgf/mmからF4Kgf/mm、R3Kgf/mmとかなりソフトに振ったスプリングです。
ここで、『5+2kgf/mmってなに?』って思われた方、ワタシと同じです(^^)
今回このお話を受けて、HKSの方にも乗り心地を良くしたいのでと相談させていただいたのですが、そこで『この+2ってなんですか?』って聞きました。
これ、バンプラバーのレートなんです。
通常バンプラバーというのはダンパーの底突きを防ぐために配置するので硬いゴムやウレタンが多いのですが、このSpecAは柔らかめのウレタンをストローク初期から接触させることでプログレッシブレートの補助スプリングとして使用するのがコンセプトということで、そのバネレートが2kgf/mmとのことでした。
市販車でもこのトライをされているクルマありますね。2代目のデミオがデビューの記事では見かけた記憶があり、整備中に見る限り『コレもそうかな?』という車種がちょこちょこあります。
そして、以前のモディファイのなかで、ゼロプリロード(吊るしではプリロードがかけてあります)でセットしていることをお話すると、『それはもしかするとはじめからバンプラバーと接触しているかも』とのことでした。
初期値では8mmストロークしたところからあたり始める設定らしく、コンセプトからそれていることに少しご不満(失礼・・・)な感じに聞こえてしまいましたが、それでも目指しているところはわかってもらえたようで、いい方向に向くと思うと言っておられました。
スプリングを待つこと4ヶ月(リヤが欠品で製造に時間がかかるとのことでした)交換です。
リヤの破れたダストブーツからチラ見えしてるのがバンプラバーですね。
目に見える潰れはないのですが今回これも交換です。
さすがHKSの製品、表面的に見えるサビは全くありません。砂などの汚れをキレイに落としてから分解にかかります。
しかしあとで調整時に触るスプリングシートは固着して全く緩みませんのでルーセン攻撃しておきます。
前後ともサクッと交換後、車高を調整します。
今回車高も10mm程度アップのご希望だったので予め10mm程度伸ばして取り付けましたが、取り付けてみると柔らかい分フロントはスプリング交換前と同じ、リヤは交換前より低くなってます。
ゼロプリロードなのでスプリングシート=バネの自由長なので、下側ケース長のみで調整しますが、
最終的にフロントは21mm、リヤは18mm伸ばすことになりました。
調整中に試乗するんですが、フロアに埋め込んであるローラーを乗り越える段階でもう柔らかくなってるのがわかります。
車高のセットは3回目できまりましたが、減衰力がもとのままでは硬すぎて釣り合いが全く取れないのでこちらも柔らかくする方向で緩めていくと、フロントは30段階中硬い方から21段目、リヤは24段目と、かなりソフトなところになりました。
高速は試乗してないのであくまで街中徘徊レベルですが、いいですねこれ!
ノーマル(ハイパーマックスⅣのです)でも純正ビル脚に比べて格段に動く、あたりの柔らかい脚だったのがもうロイヤルサルーンかなと。
HKSさんとしては本意じゃないのかもしれませんが、ラグジュアリーな方としてこちらも大々的に売ればいいのにと思います。
さて、アライメントもとって街中ロイヤルサルーン仕様wにセットしてお渡ししましたが、さっそく『激変!いいこれ!でも少しダンピング不足かも(意訳)』のご感想をいただきました。
少し減衰力を上げるとゆさゆさと横に頭が振られるような動きが出てくるのでこのあたりでお渡ししたんですが、ワインディング、高速ではやはり少しダンピング不足なところが顔を出すのではと思います。
あとはTさまのお好みで楽しみながら煮詰めていただければと思います。
ありがとうございました。
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