【NV350】リヤサスリーフのズレ【放置危険】

車椅子移動車のはなしです

日産NV350

乗用箱バンのハイエースとは別の選択肢として唯一の車ですが、先代キャラバンと比べて格段に増えていると思います。

実際、ハイエースをよ〜く研究して作り込んできたのがわかります。

同じような格好にならざるを得ないジャンルで別の車に見えるようにうまくデザインもされてるし、乗り心地も”剛のハイエース、柔のNV350”という感じで別の個性があって良いと思います。

当社にご入庫いただく福祉車両(車椅子移動車)でも確実にハイエースの一角を崩してきてますが、今回車検で異なる事業者さんのNVが続けて入ってきましたがまったく同じところがダメになってました。

後ろから覗いたところです赤丸内に注目

リヤサスペンションはリーフリジッドという型式で、トラックでは一般的な形式ですが、板バネの前後にゴム製のブッシュが入ってます。

このブッシュが左右からの分割式と、金属の筒に接着してある一体式の2つのタイプあるのですが、今回この一体式タイプが筒の中で接着が剥がれるのか、ずれて板バネとそれを支えるシャックルが接触してしまっているのが2件続いてありました。

密着しています。可動部分なのでまずいです。

写真の通り、本来は両シャックルの真ん中に板バネがあるのですが、右に寄ってしまってシャックルと板バネがこすれてしまってます。

シャックルは板バネがしなるたびに円運動をしているので走っている間ずっとギコギコ擦れ続けていることになります。

さて、実際の修理にうつりますが、まず片側ずつリーフを外します。

まず右からです。リヤの車軸をミッションジャッキで支えます。

上げてしまえば作業性は抜群です。ただし、車軸はミッションジャッキで支えていて使えないので、リーフを外す途中の支えにもうひとりいる方が作業ははかどりますね。

ブッシュ交換といえば油圧プレス。セットですね(^^)

ずれているのは写真の後ろ下側のブッシュだけなのですが、前のブッシュ、シャックル上のブッシュも当然ヘタっているのでリーフを外した際には全て変えましょうね。

部品代より工賃のほうが大きい作業ですからついでに換えとかないと損です。

あとは、反対側も同じように作業して、復元するだけです。

ホントは左右対称の形なんですが中でずれてます。

ブッシュ交換後試乗してみると、たまに『ギコッ』って言ってた音がしなくなりました。

それにリヤの動きがカチッとしましたね。走行距離は6万Km程度なのですが。

バン車のブッシュなんて必要に駆られないと換えないものですが単純な構造だけに換えると即違いがわかりますよ。

ちなみにNV350とは言っても、今回2台ともオーテック仕様の車椅子移動車です。普通の常用とかバンのNV350は最近入庫していないので確認できておりません。

日産系販売会社の旧知のフロントマンに『こんなことある?』って聞くと『う〜ん、見たこと無いなぁ・・・』とのことなので、もしかするとかなり限定された期間とか仕様だけに起きる現象かも知れませんが、該当部品は部品番号が当初のものから替わっているので、改善されているのは間違いありません。

NV350の車椅子移動車を使用されている事業所の車両担当者さんは一度車の下を覗いて見られることをおすすめしますよ。

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