ストーリアX4 謎のブーストアップ

前回に続いてX4の修理ですが、通常タービン交換なら予算に応じてリビルトor中古という選択ですが、問い合わせをかけてみるとリビルトがありませんとのこと。

まあ、特殊なクルマなんでここはやってないんだろうと思い何社かあたってみるものの、どこにもありません。


最後にあたった現物修理もされているところにメールで問い合わせると、ご丁寧にお電話でご返答くださいました。

『このタービンは修理対応できないんですよー。ダイハツ純正の新品でおねがいします。』

とのこと。

競技ベース車の恐ろしさの片鱗を目の当たりにしました。

じゃあ新品タービンはというと、¥14万円とのことでお客様にご相談したところGoサインがでましたので交換してみます。(ちなみにカプチーノは何年も前のデータで20万って書いてあります!!まあこっちはリビルトがあるんで救われますが。)

分解時に排気系ではよくあることとはいえ、気になっていたボルトの緩みなどもあり

入念なスタッドボルトの再締め付け、ネジ穴の清掃をして、オイル・冷却水のフィード・リターン系統清掃、ガスケットの交換などセオリー通り進めて組み上げますが、

お客様が今後のためにもブースト計を付けておきたいとおっしゃいますので付けさせていただいてから試乗させていただきます。

そして試乗・・・

X4は走行中の最大ブースト圧は1.25Kと修理書に記載がありますが、

なんだこれは!

1.75K!!

こわれる〜

出荷時調整せんのか!

と思いながら調整式になってるアクチュエータロッドをゆるめますが

変化なし

でも、少し冷静になって考えたら、載せる前に事前テストでアクチュエータの単体試験をするも1Kかかれば十分開いてたし、もう何がどうなってんだか・・・

X4の加給制御は純正でEVC方式なんで、開かないということは、ECUが開く制御できてないのか?ということは圧力センサーがボケてるの?ECUが壊れてんの?

いろいろ考えるもののいまいち釈然とせず、ネットの深みをさまようこと数時間、

『タービンの遮熱板が干渉してブーストが〜』

との神の啓示とも思えるフレーズに出会います。

ロッドをラジヲペンチでつまんで開く方向へ動かしてみますが、満足に動きません!!!これだ!!!!

遮熱板裏を見ると、干渉跡が2ヶ所あります。

横長の丸がアクチュエータの軸があたった跡、縦長丸が先程の写真の

大丸、エキゾーストハウジング後ろのボルトの頭で出来た跡と思われます。

ここが押されて、熱がかかって遮熱板が軟化して横へ広がるように変形したとすると、高さ方向がひっぱられるようにして潰れてきてアクチュエータ−部分が干渉するようになる・・・

と推測すれば納得ですが、強引すぎますかね?

先ほどの記述からさらに他のX4に関するブログなどを調べてみると、

『何故かこの個体は1.5Kかかっており』

とか

『入手したときから1.7Kかかってる』などの書き込みもちらほらありました。

いずれもその後のトラブルは書いてなく不明なのですが、今回のトラブルは過加給でのタービンブローということかと思います。

まだエンジンブローしなかっただけ救われたのかとも思いますが、やはりチューンドカーは計器類によるチェックって大事ですね。

遮熱板を叩き直し、再度ロッドを調整して1.25Kにしました。

やはり、ここを狙った噴射量なんでしょうか、力強くも気持ちのいい伸びが味わえます。

今回の修理は長く預かってしまいました。待ち遠しくされたでしょうが今後のブローの不安もなく乗っていただけると思います。

ありがとうございました。

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