【日産オッティ】バックできない

お客様からの救援要請入電!!
『スーパーから帰ろうとしたらバックできないんです!』
(・・・前には進むってことか。代車乗って行って入れ替えしよっと)
お客様の車は日産オッティです。


さて現場です。
アタマからフェンスに向けての駐車でしたが、手押しでバックさせてDレンジにしてみると想定通り前へ向いては動くようなので、お客様へ代車をお渡しし、帰っていただきました。
よし、帰ろうと思って走りだすと、2速へシフトアップのタイミングで失速!(アクセルは踏んだままです)
(・・・帰れねえ)
結局、会社へ電話し、ウチの整備士Nくんに車載車で迎えに来てもらいましたw

さて、油圧は作れてるようですが、最低でもリバースと2速のクラッチが締結しないみたいです。レベルゲージについたオイルを見ても、クラッチフェーシングの焼けとかはなさそうな気がします。
こんな時は情報収集ということで、まずリコールとかサービスキャンペーンなどにヒントがないか見てみます。
すると、モノの3分でそれらしいのを発見しました。

4速自動変速機の油圧制御装置(バルブボデー)において、ストッパプラグの材質が不適切なため、高速走行や登坂走行等の高油温時の変速動作により、当該ストッパプラグが破損する場合があります。そのため、適正な油圧が保てず、変速ショックや変速不良が発生し、後退不能となるおそれがあります。
バルブボデーを点検し、ストッパプラグが対策前品で破損していない場合は、対策ブラケットを追加します。ストッパプラグが破損している場合は、バルブボデーを対策品と交換します。

バルブボディはこの中に。


まさにこれじゃね?
ってことでお客様の履歴を見てみると、確かに平成26年に改善対策を済ませてます。
その時の整備担当の拠点へTELして、改善対策として作業したところが対策したにもかかわらず壊れてたらどういう扱いになるの?と聞いてみたら、すでに作業済みの箇所が壊れたときは一般の故障と同じとして扱いますとの回答でした。(禊は済んだってことでしょうか)
実費で修理ということは、部品を調べてみたところストッパプラグ単体では部品供給がないのでバルブボデーまるごと交換になります。(5万円代後半の部品です)
その他部品に工賃等を合わせると9万円前後にはなってしまいます。

まあ、どちらにしろストッパプラグなるものがどう壊れているのかオイルパンを外して確認しましょう。

うーんこれか・・・
さっそく見つかりました。破片が。
しかも対策されていない箇所のが割れてます。
・・・改善対策ってなんなんだいったい。

相方はこれです
もちろんここまでたどり着くには油圧回路(バルブボディ)はバラバラに分解しました。

これをバラすと、
こんなのが3段重ねになってました。
この中にボールだとかスプリング、ピストンが組みこんであって、それが飛び出さないよう&油圧が保持できるようにストッパプラグで塞いであるんですね。

まあ、このくらいの4段A/Tならこんなこともできますが、最近の多段A/Tなんて気軽にはばらせないですね。

さて、割れていた以外にもストッパプラグは何種類かあるんですが、ピッタリはまっていて抜けてこないものもありますし、抜けたものを見ると割れた物以外のところには打痕もないのでこのサイズのもの2個のみ制作して交換します。
組み上げて試乗してみると・・・

なおった!!(´∀`)

オイルフィルターとパッキンはもちろん新品に。

なので、もう一度オイルパンを外し、異物や異常な切子が無いのを確認してフィルターとパッキンを新品に変えてオイルを補充後再試乗。
異常もなく、油路の清掃もできたので、変速ショックも消え非常にスムーズに走る車になりました。
お安く修理出来てよかったとと思います。

さて、次はM/Tのギヤ飛びがと、またミッショントラブルのクルマが入ってきてます。
こうやって似たような故障って何故か続くんですよね。
不思議です。

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