はい、過去のお仕事シリーズです。
と言ってもまだまだ最近、昨年末頃のお仕事です。
LEXUS GSのヘッドライトレンズ塗装のお話をいただいたんですが、トヨタの高級車ってたまにレンズ単体で供給されてるクルマがあります。
クリア塗装でももちろんきれいになりますが、キレイの方向性が違うと言うか、目的が違う気がするんですよ。
クリア塗装はレンズが曇ってしまったから磨いて綺麗さを保つため機能的に必要になってやってるところがあります。
どうしても取り切れないレンズ面のクラックだとかはありますし、透明なポリカーボネートにくりあをのっけてるんで、どうしても『ポヨン』とした表面になってしまいます。(それでもキレイになったと喜んでいただけてますが)
対して、今回メールでお話していて感じたのはこの方が欲しているのは審美的な綺麗さではないかと思ったので、『クリア塗装でもキレイになりますが、新品レンズの透明感には勝てませんよ。』とお伝えしたところ、新品レンズに変えてほしいけどできますか?ということになりまして、お見積しました。
クリア塗装に比べると、どうしてもレンズの部品代があるため割高になりますが『やってください』とのことです。
レンズの箱を開けて確認します。さすが新品はキレイです。これを、ホコリを入れたりキズが入らないよう組み替えることを思うと緊張します。
さっそくライトを外した画像ですが、これでもかとふんだんに傷つき防止フィルムを使います。黒いクルマは触っただけでも跡がついたりしますからね。
まずは殻割り成功です。交換前のレンズもキレイに見えますが、苦労されたあとがよくわかります。だいたいクリア塗装をご依頼される皆さん、ご自分で磨いて保護剤を塗ってみていらっしゃるんですけど、『疲れた』ってご依頼される方がほとんどだと思います。
今回のようにレンズを交換する前提のものはブチルも灰色の比較的しつこくないタイプが使われていて温め方もさほどではありませんが、非分解の黒いブチルのものはレンズが歪むかってくらい温めなくてはいけないので怖いんですよね。そっちはやりませんよ。
この時の注意点は、ケース内にある面は絶対に触らないということです。
リフレクターやベゼルのメッキ面のクモリとか汚れがあってもガマンして絶対に触らない。
密閉空間が前提なのでメッキに保護が何もかかってないし、膜厚薄いです。
『あ、指紋付いちゃった』って軽く拭いただけでも薄キズがはいって目立ちますし、リフレクター面なんか簡単に剥がれますよ。
レンズ内面も絶対に触れちゃいけません。後々年数が経って変なシミでも出てきたら大変ですし軽い拭き傷も点灯するとキラキラ目立ちますからね。
なので、慎重に慎重に組み立てて・・・
おお〜!キレイ!!こればっかりは新品にはかないません。一点のくもりなく・・・とはこの事かと。
新車の輝きを取り戻せましたかね。
結構朝方から晩までかかってしまいました。お渡しは遅くなりましたけど喜んでいただけたようなので良かったです。
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