はい、ミッションオーバーホールの続きです。
実はまだあるその他のトラブルの続き
あのね、前の方にクラッチ渋いって書いたじゃないですか。ワイヤー替えなきゃって。
もちろん替えればいいんですけど、原因は違いました。
クラッチレリーズレバーのシャフト、ここですよ。
クラッチを踏むと回転するのですが、軸受が真鍮ブッシュなんで、長期間の使用で削れてしまったんですね。
表面の荒れと軸の傾きが原因で渋かったんだと思います。
ちょうどクラッチディスクも薄くなってる感触で、少しでもクラッチペダルに触れると滑ってたんで交換時期だと思ってましたが、ベアリングもカバーも摩耗がひどい!
ミッションが壊れてなければ代わりにすぐクラッチトラブルを起こしてたんでしょうね。
さて、組み立てていきますが・・・
いざ組み立てって言っても、バラすときに測定、診断しながらバラすと、後は揃えた部品を修理書に従ってきちんと組み立てて行くだけなんですよね。
組立時のプレスのかけ具合とか、ボルトの締め具合、液体パッキンの厚みとか塗るポイントっていうのは経験とか勘もありますけど、取り立てて見るところはない(と思ってる)ので、意外と写真がないんですみません。
クランクシャフトリヤオイルシール。これってミッション下ろすときしか出来ませんから漏れて無くても替えましょう。
クラッチ外したらフライホイールの締結ボルトを6本緩めるだけなんですから。
ミッションも液体パッキンを塗って、組み立てていきます。
以前長い間悩まされたミッションオイル漏れの件もあるので、ミッション組み立てボルトにも液体パッキンを薄く塗って組んでいきます。
プロペラシャフトジョイントの組み換えなんて、最近の小型車は部品供給もないんで途絶えた仕事ですね。
4駆とトラックの世界の仕事なので、やったことのある整備士も少ないんじゃないでしょうか?
そういえば、ジョイントも完全互換品じゃなく、サイズが合うとのことで販売していらっしゃいます。ロックのCリングとの間に付属のスペーサーを入れてね☆ミ とのことです。
組んで走ってみてますが今の所問題なく、80Km/hあたりで『ブーンブーン』とうなり出す音(デフだと思ってました)も出なくなり、すごく快適です。
コレもあってよかったですよ。オレンジのブッシュの上の金属パーツは独自に考案されていますがよく出来てます。
そうそう、ここの部分も付属されてるグリスを塗り忘れるとニュートラルにしてもシフトレバーがセンターに戻ってきてくれません。給油は大事ですね。
カプチーノもいわゆる『リモコンシフト』です。ミッションのそとからリンクでシフトロッドを操作するタイプです。
ブッシュ交換も室内からできるので、もっと早くやっておけばよかったです・・・
ここもレバー、スプリング、ピン(レバー部右にちょこんと飛び出てる)真鍮ブッシュ左右すべて新品です。
¥140のスプリングが折れてまたミッション下ろすなんてバカですからね。
しかし、ケースが上下分割とか、クラッチレバーがこういう感じと、設計はさすが旧世代って感じもします。
キャリイトラックも平成17年11月の改良以降新型ミッションになってますが、シフトの感じは遥かに上質になってますしクラッチも変な渋さがないんですよね。
でもケースが一回りごつい気もするし重そうな感じはします。軽量化には古いタイプもいいんでしょうね。
完成後はどうなった?
さて組み上がって試乗したところ、各新品部品のあたりが付いておらず、適当なシフトをすると2,3速がときにギヤ鳴りしてましたね。
でも1週間も通勤に使うと各部馴染みが出たのかそれもなくなり、今は至って快調です。
プロペラシャフトもジョイントが動かない分抵抗になってたんでしょうが、今はニュートラルでの滑走が明らかに抵抗なくスッと転がります。ミッション内のベアリングも旧品も別に問題はなさそうでしたがやっぱり新品のほうが音も小さくなりましたし抵抗は減ってると思います。
最近のダブルコーン、トリプルコーンシンクロのように吸い込まれるようなシフトフィーリングではありませんが、十分快適なシフトフィーリングです。
ミッションオイルはとりあえず初期馴染みの段階ではスバルEXTRA-Sを入れてみてますが、ならしが終わったらWAKO’Sのギヤオイルでも入れてみたいと思います。
降ろしてみてわかったんですがミッションマウントも切れており、位置決めもいい加減で振動吸収も出来ず、駆動系がプルプル常に揺れている状態だったのもシフト悪化の一因だったでしょう。
車全体の振動も取れて、まるでトラクターのようだったのが乗用車になったかのようです。
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