さて、前回から引き続きカプチの話題です。
Kさまがおっしゃるには、気になるところがあるのでついでに見てほしいとのことです。
直進時にハンドルが少し左を向いているとのことで、現状下の図のようになっています
ハンドルを純正から取り替えるとよくある話です。
ハンドルと、コラムシャフトは位置がずれないよう、スプラインという小さなギヤ状のギザギザで噛み合っているのですが、純正のハンドルと社外品のボスでギザギザの位置は少しずれるのが普通です。
・・・というより、先日はアクアの純正オプションの革巻きハンドルを取り付けたのですがそれもセンターが合わなかったので調整しました。1本1本微妙にずれていて普通なのでしょう。
こういうときは、タイロッドエンドという部分をバランスを取りながら左右長さを調整してバランスさせてハンドルをセンターへ持ってくるのですが、今回は単純にそれだけではおかしなことになってしまいそうです。
上の写真は一般的な車のハンドルを左に切って後ろから覗いたところです。
国産車の大半では上の写真のようにタイヤの回転中心から後ろにタイロッドは付いています。
ですが、カプチーノはタイヤの前側にタイロッドがついていますので、左タイヤの前から覗いたらこんな感じに見えます。
実際の調整は図を見ながらご説明を。
先ほどの図で左に切れてるハンドルを直進にしてやるとこうなります。
ここで、タイロッドを調整。右のタイロッドを縮めて左のタイロッドを伸ばすとタイヤが直進方向へ向かいますね。
しかし、ここで問題なのはこのカプチーノすでに左のタイロッドのほうが右より長めになっているんです。
過去に深く考えずアライメント調整とかハンドルセンター出しとかを繰り返した結果だと思いますが、左ばかり伸びる方向でしか調整してこなかったのでしょう。
こうなると、ハンドル左右の切れ角も変わってきます。
左へ大きく切れて、右へは切れない。攻めたサイズのタイヤをつけるとハンドルを切った時に片側だけ車体内側へ当たるとかもあるかも知れませんね。
じゃあどうするかと言うと、一度ハンドルボスを外して、直進状態でハンドルが左に切れているのを右に切れているように変えます。
その上でハンドルを直進状態にしてやると・・・
長かった左タイロッドを縮めて、右を伸ばす方向に調整してハンドルセンターを出します。
この時トーを狂わせる可能性があるので随時サイドスリップテスターなりトーインゲージで測りながら調整ですよ。
車検の際には調整することもありますが、おとなしく走ればそんなに狂うものではありません。
でも一度でもアーム脱着やストラット脱着すると微妙といえどズレが出ます。
それもしてないのに純正ハンドルでセンターが狂っている車は大きなギャップにドーンと落としたとか、縁石にぶつけたとかがあるかも知れませんね。大きな衝撃だとハブナックルの歪みなどの可能性もありますが、まずは測定からです。
気になる方はご相談ください。
さて、バッテリーあがりの心配もなくなりハンドルセンターも出たことですし、気持ちよく乗っていただければと思います。
なんでも、Kさまは車歴としてこのカプチーノで軽スポーツABC+C(AZ-1、ビート、カプチーノ、コペン)制覇なのだとか!
いやいや贅沢な車歴です。実際にお話した方で初めてこんな方に出会いました。
ワタシも仕事柄乗るだけは全て乗ってますがそれぞれの楽しいところは所有しないとわからないですからね。
うらやましい限りです。
少し遠いですが、機会がありましたらまたぜひよろしくお願いします!!
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